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死んだ後に猶予期間があることを裏づける聖句はありますか?

 ありません。

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第一ペテロ3:18、19は、死んだ後も猶予期間があって、やり直しがきくということを教えているのではありませんか?

 決してそんなことはありません。確かにこの聖句は、キリストは、肉において(すなわち、その肉体において)死に渡されたとき、霊においては生かされて、その霊において、捕われの霊たちのところに行ってみことばを宣べられた、と教えています。しかし、この「捕われの霊たち」が、かつて地上に生きていて自分の罪のうちに死んだ人のことだとは一言も語られていません。この「霊たち」とは、ノアの時代に不従順だった御使いたちであると考えられる理由があります(創6:1、2; ユダ6、7; IIペテ2:4)。しかし、たとえこれを罪のうちに死んだ人々の霊であると考えたとしても、イエスが彼らに福音を宣べられたとは云われていません。この箇所で、「みことばを宣べる」、と訳されたことばは、福音を宣べ伝えるという意味ではなく、『布告する・告げ知らせる』という意味のことばです。新約聖書には、福音を宣べ伝えるという意味でしばしば使われている別のことばがありますが、ここでそのことばが使われていないということは意味深長です。さらに、キリストがみことばを宣べられたという、これらの「捕われの霊たち」が、ひとりでも悔い改めたとは全く語られていません。それどころか、悔い改めることができるとさえ云われていません。この箇所で教えられているのは、御国の勝利が、地獄でも、天国でと同じように告げ知らされたということだけです。

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