Preface HOME | TOP | 目次 | NEXT
序 文
今読者が手にとっておられる本に、前置きとすべき説明はほとんど必要ない。ここに含まれているのは、私が伝道者として働いてきた45年の間に、折にふれ、何らかの形によって世に送り出してきた論考のうち、非常に多方面にわたる、種々雑多な性格のものである。こうした論考の中には、ごく少数の親切な友人たちの間だけでしか知られていなかったものもある。また、少なからぬ数の論考の内容は、元々、何らかの重要な公的機会がある際に、細心の注意を払って準備した講演であった。私があえてへりくだりつつ考えるところ、これらはみな、この時代にとって何らかの有益な真理と、時宜にかなった言葉を含んでいることであろう。
すでに私は、今後はさほど多くの書き物をすることが期待できない年齢に達している。私は、本書に収めた多くの思想を、個々のばらばらな説教や、講演録や、講義録や、小冊子という、散逸しがちな形では後に残しておきたくなかった。それで、それらを一冊の本にまとめようと決意したのである。本書の出版にあたり、私は心から神に祈るものである。この本が祝福され、多くの魂にとっての永遠の祝福となるように、と。
J・C・リヴァプール
リヴァプール、パラスにて
1887年12月1日
----