Advent

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降誕祭（アドベント）

　イエス・キリストによる世の贖いは、歴史上の----人類の歴史はおろか宇宙全体にとっても----大転回点である。

　なぜそう信ずるかというと、
　1. この出来事の性質を考えられたい。
　2. 聖書の告げるところによれば、神の栄光は特に教会を通してあらわされるという。それゆえ私たちは、この出来事を、ほかの何よりも重要なものとして記念すべき義務がある。

　私たちが降誕という出来事を特に記念し、この愛に対して感謝の思いを常に抱かなくてはならないのは、

　Ｉ. ここに、無限のへりくだりと、無限の愛が示されているからである｡神の御子のいと高き尊貴さを思い、そのお方が人間となられることによっていかなる深みに身を落としてくださったかを思うがいい。

　II. ここから言葉につくせぬ益が引き出せるからである｡まず、各個人にとって。そして、人類全体にとって。

　第一に、各個人にとって。ここには、
　1. 赦し----地獄からの救いがある。
　2. 聖潔、すなわち、罪からの解放がある。
　3. 神との和解がある。すなわち、私たちは神のいつくしみを受けることができるようになる。すべての良きものの尽きざる源泉であられるお方と交わることが可能にされる。
　4. 私たちの身分は非常に高められる。すなわち、私たちの人格において、栄光、威厳、美質が高められる。さらに私たちの地位にともなう栄誉と権威もまた同じく高められる。

　第二に、人類全体にとって。地には平和と神の善意がもたらされた。私たちの世界は贖われつつある。世はいつまでも罪の支配下に置かれたままではない。いつまでも暗闇の王国のままではない。キリストがやがて地を治められる。聖きと平和と幸いが地をおおう日がくる。そして贖われた人類は、神の御子との結合によって高められ、神の栄光をあらわす最も驚くべきあかしとなるのである。

　第三に、神が人となって来られたことを感謝し記念しなくてはならない三番目の大きな理由は、そうすることで神が、あらゆる存在、あらゆる時代に対して、最も高い栄誉を受けられるからである。神は造物主、支配者としてたたえられる以上に、贖い主としてあがめられるべきである。

　福音を聞くすべての者には、2つの大きな義務がある。1. まず、キリストを自分自身の救い主として受け入れなくてはならない。2. またキリストを世の救い主として他の人々に知らしめなくてはならない。

降誕祭（アドベント）［了］

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